同じ壁は二度とつくれない ─トルコの塗料「サンデコ」
表情を変える塗料、サンデコ
光の当たり方で、ガラッと表情が変わる壁があります。
水面のさざ波のようでもあり、絹のようでもあり。写真だと一枚の絵にしか見えませんが、実物は見る角度や時間帯で全然ちがう顔を見せてくれます。

今回は千葉県我孫子市のお住まいで仕上げた、トルコ生まれのデザイン塗料「サンデコ」のアクセントウォールをご紹介します。
最初のきっかけは八街市の工藤工務店さん
年間20棟以上の新築を手がける八街市の工藤工務店の社長さんが、東京ビッグサイトで開催された「リフォーム産業フェア」を回っているときにサンデコジャパンのブースを見つけてひと目で惚れ込んでしまったそうで、「これ、うちのモデルハウスに使いたい!」と即決して自社モデルハウスのアクセントウォールにサンデコを採用してくれました。


そこから先が、じわじわ広がっていくんです。モデルハウスを見た施主さんが「あの壁、うちにも欲しい!」と一軒決まると、また次の一軒。
今回の我孫子のお住まいもその流れの中で生まれた一軒です。ちょっとおもしろい始まり方ですよね。
良いものは、見た人が勝手に広めてくれる。こういうつながり方は、仕事をしていて素直に嬉しいものです。
そもそもサンデコって何?
サンデコ(SANDECO)は、トルコ生まれの「エフェクトペイント」です。
エフェクトペイントというのは、ざっくり言うと「模様や質感そのものを塗料でつくる塗料」のこと。
普通の塗装が「色をきれいに均一に塗る」のが仕事なのに対して、サンデコは塗料と道具と手の動きで壁に表情を描いていきます。壁一面が、そのまま一枚のアートになるイメージです。
メーカーは1965年創業、半世紀以上の歴史を持つトルコの老舗で、世界40カ国以上に輸出している実績があります。日本での取り扱いが始まったのは2019年から。内装にも外装にも使えて、シリーズによって石っぽい質感、金属っぽい質感、なめらかな質感など、表現できる幅がかなり広いのが特徴です。
今回採用したのは「エフェクトウィンド」という塗料
エフェクトウィンドは金銀の細かい砂を含んだメタリックタイプで、ハケでランダムに塗っていくと、砂が表面に拾われて独特の陰影と輝きが生まれます。

強い照明でなくても自然光やちょっとした明かりでキラッと表情が出るのがこの塗料のいいところ。写真で波打って見える部分は、まさにこのハケの動きと砂が光を受けている様子です。
イエちゃんもう一つ嬉しいのが既存の壁の上からそのまま塗れること!
そうそう。クロスを剥がしたり解体したりする必要がないから廃材が出ないし、その分のコストや工期も抑えられるしね!
「飽きたら塗り替えればいい」という気軽さもあって、長い目で見ても付き合いやすい素材だね。
サンデコは内装にしか使えない?
サンデコはもともと内装がメインの塗料ですが、専用のUVカットクリヤーをオーバーコート(仕上げに重ね塗り)することで、屋外での施工も可能です。


バルコニーの外壁や玄関まわりのアクセントなど、屋外の「ちょっと特別にしたい一面」にもおすすめです。室内と屋外で同じ表情の壁をつなげる、なんて使い方も素敵ですね。
「同じ模様は二度とつくれない」のがいい
サンデコの一番おもしろいところは、まったく同じ模様が二度とつくれないこと。
弱点に聞こえるかもしれませんが、むしろ価値だと思っています。壁紙やタイルはどの家に貼ってもだいたい同じ表情です。でもサンデコは、その日の塗料の状態、ハケの運び、乾き方で、仕上がりが少しずつ変わります。
だから、世界に一枚だけの壁になります。ハケを動かすその一瞬一瞬が、もう二度と再現できない。だからこそ一筆ずつ、壁と相談しながら手を動かしています。
「あなたの家の、この壁だけ」と言い切れる。これは職人としてけっこう誇らしいポイントです。


銀灰色の地に、波が幾重にも重なったような陰影が広がっています。照明の下では銀色に光り、自然光だと落ち着いたグレー。時間帯で表情が変わるので、住んでいて飽きにくい壁です。
玄関やリビング、階段まわりなど、家に入って最初に目に入る一面に使うと、空間全体の印象がスッと引き締まります。
終わりに…
ミライカナイは外壁塗装で鍛えた技術をこういった内装のデザイン塗装にも生かしています。
サンデコは道具と手の動きがそのまま出る、職人の腕が問われる仕事。一級塗装技能士として、一筆ずつ楽しみながら仕上げています。
「うちのこの壁、特別な一面にしたいな」と思うことがあったら、気軽に声をかけてください。
世界に二枚とない壁を、一緒につくりましょう。
















